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2012-05-07-Mon-16-33

タコって、アヒル口やね

ゴールデンウイーク。
合同ハイキングに出かける大学生サークルで大賑わいの路面電車、叡山電鉄。
新入生であろう女子大生たちのひとりが、車窓から見えたタコ焼き屋のテント看板のイラストを見て、こんなことをつぶやいた。

「タコって、アヒル口やね」

言いたいことは果てしなくあるが、まずひとつ。
「違う」
彼女がアヒル口だと言ったタコのあの「ちゅう」なパーツは、移動のためにふいごの要領で海水を吐き出しジェット水流を起こす漏斗(ろうと)という器官。
アヒル口であるかないか以前に、人間でいうところの口とは言い難い。

ただ、女子たちが流行りの「アヒル口」を周囲から愛されるためにそうしているのであるならば(実はなんであんな口元ツりそうなことやってんのか、よく知らない)、タコからそれを連想したのは、決して的外れでもないのだ。
なぜならタコは、ひたむきに愛に生き、愛に命を捧げる哀・戦士なのだから。

タコは魚介類のなかでも特に短命で、たったの1年、長くても1年半で死んでしまう。
そして死ぬのはたいていセックスをしたあと。

タコは一夫一婦制で、オスは一匹のメス、メスは一匹のオスとしか性交しない。
ひとたび恋に落ちると、オスがリードするように二匹仲良く腕を組んで泳ぎ、岩陰を見つけてそこで最初で最後の、処女と童貞どうしのセックスをする。

そうして激しく一夜の契を結び合ったあと、オスは精が尽き果てて死んでしまう。
メスはオスの精子を胎内に受け入れたあと深海に潜り、産卵。
卵を生むと力尽き、真っ白に変色し、身体もぺったらぺたらこに痩せ衰えて息をひきとる。
よく白くてふにゃふにゃしたタコのなきがらが網にひっかかることがあるそうだが、あれは産卵を終えたママさんタコなのだという。

さらにオスは一匹のメスをめぐり、恋敵と激しい死闘を繰り広げることもある。惚れたら最後、ユーキャンストップ。
命がけだ。

とりわけ愛の業が深いのが「カイダコ」という品種。
カイダコは、セックスを終えるとオスが自らのペニスを切り落とし、メスの胎内に残してゆく。
まるで結婚指輪を渡して永遠の愛を誓うように。
まさかオスがそんなことをするとは思われていなかったので、メスのカイダコの胎内から見つかる突起物は最近まで寄生虫だと思われていたらしい。

そんなふうにタコの研究は進んでいるが、それでも子供電話相談室にかかってきそうな「なぜ太い腕が8本もあるのか」「なぜあんなに強力な吸盤がついているのか」というもっとも手前の疑問は、未だに解明されていないのだという。

でも僕にはわかる気がする。

太い腕が8本もあるのは、愛した妻や夫の心と身体をしっかり深く強く抱き尽くすため、愛し尽くすため、いたわり尽くすため、のハズだ。

セックスとはすなわち、メスとオスがひとつの球体になろうとする尊貴な行為である。
タコが交歓している姿は「つるみだこ」と呼ばれ、あたかもひとつの球が海中に浮かんでいるように見えるという。
一個のボールになってしまうほど艶めかしく、そしてがっしりと絡みつくには、太くたくましい腕が多数必要。
また吸盤があるのは、身体全体をキスすることが大事だったからだろう。

そんなわけで残念ながらアヒル口ではなかったわけだが、そもそもアヒル自体がよくよく見ると、まったくアヒル口じゃない。

あと、京都に学生間の合同ハイキングの文化がいまだ根強く残っていることにちょっと驚いた。
まだあるんや、合ハイ。
そしてアヒル口の話をしていた学生たちは、貴船口へと向かっていった。

だからなんなん。
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